住まいの提案、石川。

食と空間 File.5-1 「Angolo CAFFE」

食と空間 File.5-1 「Angolo CAFFE」

金沢駅東口から徒歩10分ほど。ノスタルジックな雰囲気が魅力的な金沢市笠市町に佇むのは一つの町屋を改装したカフェ、創作イタリアンレストラン、ホテル、花屋が併設された複合施設。

築130年以上の町屋をリノベーションし、重ねてきた時代の良き部分を残しつつ、現代の新しさを融合させた店内。今回はAngoloCAFFE(アンゴロカフェ)を紹介する。

古き和とイタリアの融合

古き良き和の建築を残しつつイタリアの雰囲気 を取り入れた店内。

 「カフェを始めようとしていたのではなく、もともとあった漁網店が移転すると言うので見にきたのがきっかけです」とオーナーの能崎さんは話す。「この建物を初めて見たときに、これは残して何かをしなくては、と思うほど魅力的で立派な建築物で」。長い歴史を丁寧に刻んできた建物の魅力に心を奪われ、何かできることはと考え、周囲に相談した結果、ホテル、レストラン、花屋とそれぞれの経験がある友人たちが集まり輪となり複合施設が誕生した。

築130年以上の町屋をリノベーション。

 AngoloCAFFEのディレクターでもある能崎さんは7年間ほどイタリアに住んでいたこともあり「気軽にエスプレッソを楽しめる文化がもっと広がって欲しい」という想いから、イタリアのバルをイメージしたスタイルにした。インテリアもひとつひとつこだわり、フランスアンティークの飾り棚や教会のチャーチベンチを取り入れるなどセンスが光る。ふらりと立ち寄ってリラックスした時間を過ごせるよう、気取りすぎずのんびり寛げる空間になっている。

オーナーの能崎さんがイタリアで食べた味を再現したスイーツやコーヒー、クロワッサンやドーナツ等も楽しめる。

 西欧を感じさせるデザインの中にも、漁網店だった頃の金庫が残されていたり、今では生産することができない100年以上も前の磨りガラスをそのまま使用していたりと、どこか懐かしさが漂うホッとする雰囲気に満ちている。

現在では作ることのできないアンティークの磨り ガラスから差し込む優しい自然光。ゆっくりと寛げる。

建物のオーナーでAngolo CAFFE のディレクターも務める能崎涼子さん。

Angolo CAFFE

金沢市笠市町10-1 tel 070-7549-7248
営業時間 8:00~16:00 定休日 火曜・水曜
設計:橋本建築造園設計+りんの設計 / 施工:株式会社 家元

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