住まいの提案、石川。

食と空間 File.5-2 「ORIGO」

食と空間 File.5-2 「ORIGO」

金沢駅東口から徒歩10分ほど。ノスタルジックな雰囲気が魅力的な金沢市笠市町に佇むのは一つの町屋を改装したカフェ、創作イタリアンレストラン、ホテル、花屋が併設された複合施設。

築130年以上の町屋をリノベーションし、重ねてきた時代の良き部分を残しつつ、現代の新しさを融合させた店内。今回は創作イタリアンレストランORIGO(オリゴ)のを紹介する。

自然の力強さを一皿に

柔らかなAngoloCAFFEから奥へ進むと、重厚感のあるORIGO(オリゴ)のレストランスペースへ続く。

「イタリアは歴史と現在が繋がっている国。一緒にやらないかと声をかけてもらいこの場所を初めて見た時、歴史の中で新しいものを作り出すことができるとはなんと幸運なことだと感じた」。そう語るのは過去に別の場所でレストランを営んでいたオーナーのマテオさん。古き良きを残すというイタリアの建築思想を取り入れ、歴史を感じる高い天井に広がるどっしりとした梁や、中庭などは当時のまま残した。自然の素材にこだわり、厨房の壁にも本物の石が使われている。

黒と白。シンプルな空間に力強い梁がアクセントになっている 店内。開放感のある高い天井が魅力的。
マテオ氏の繊細な 感性が一皿一皿に光る。

 黒い梁と白い壁が織りなすシンプルな空間では、石川県産を中心とした新鮮な食材を活かし、丁寧に調理された美しい料理を楽しむことができる。

 「料理を作るために材料を買いに行くのではなく、旬の材料を見て、どう調理するか考える」。マテオさんが語る通り、ジビエや山菜をはじめとした旬の食材を活かした料理を味わえる。調味料にもこだわり、なるべく砂糖や塩を使わず自然の中にある旨味を活かしている。

日本の食材とイタリアの技術を掛け合わせて新たな料理を生み出す。ラテン語で『起源』=新しいものが生まれるという意味を持つ店名にもピッタリのレストランだ。

中庭が望める個室。併設したホテルに宿泊した方はここで食事をすることも可能。

 「自然がもたらすものを優先に、調理はそこに合わせる感覚で」と話すマテオさんの生み出す料理は、一皿一皿が自然の作ったアートのように美しい。

ORIGOのオーナーシェフ マテオ・アルベルティさんと、スタッフの英 亜紗里さん

ORIGO
金沢市笠市町10-1 tel 080-1786-3996 (要予約)
営業時間 18:00~定休日 日曜
設計:橋本建築造園設計+りんの設計 / 施工:株式会社 家元
URL: https://origo.jp/

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