住まいの提案、石川。

家族の時間を変える火のある暮らし 「スイベル」vol.08号特集記事

家族の時間を変える火のある暮らし 「スイベル」vol.08号特集記事

薪ストーブから始まる冬の1日

かほく市で注文住宅の設計施工を手掛けるMさんご一家の冬の1日は、薪ストーブの焚き付けから始まる。十数年にわたる薪ストーブユーザーであるMさんご夫婦にとって、火はごく自然に暮らしの真ん中にある。

最初に使ったのは、事務所の暖房用に導入したネクター社の「ピキャンオーブン」。その後、より高い性能を求めて、容量が大きく暖房能力が高い「マーク2ネクターCB」を導入し、コンセプトハウスとして建てた自邸にも同じくネクター社の「ピキャンバロッサ」を備えた。いずれも肌寒さを感じ始める秋口から6月の梅雨時期まで使用し、Mさんご一家の暮らしに欠かせない存在となっている。

Mさんご一家が愛用するネクター社の薪ストーブは、小型ながら強力な火力を誇る。高い熱効率で吹き抜けの大空間リビングをパワフルに暖めている。

Mさんご夫婦がネクター社のストーブを愛用するのは、優れた機能性はもとより、そのデザイン性にある。直線的でシンプルな印象の薪ストーブは、和洋問わずさまざまな雰囲気の空間に合わせやすく、すっきりとしたデザインを好むMさんの家によく馴染んでいる。

暖房器具としては言うまでもなく、お気に入りの鉄瓶でお湯を沸かしたり、厚手の鍋で煮込み料理を楽しんだり、グラタンや手作りピッツァを焼いたりと、火を中心にさまざまな用途が広がる薪ストーブは、冬の寒さを楽しみに変えてくれる最高のパートナーだ。

薪ストーブの熱を無駄なく使い、さまざまな料理を楽しむ。リビングに漂う美味しい香りもご馳走。
M邸の庭の薪棚にずらりと並ぶ薪の量は圧巻。奥様のお父様の協力も得ながら、冬場の備えを欠かさない。
平屋風2階建ての大きな屋根が目を引く夕刻のM邸。
前の道路を挟んで向かいに建つMさんの事務所は、山小屋風の外観が印象的。職住近接のスローな暮らしで、家族の時間を大切に守る。
事務所の薪ストーブもネクター社の製品。年季の入ったロッキングチェアがよく似合っている。

少し手間がかかっても、尽きない楽しみ

Mさんご一家の夕食の様子。大きなダイニングテーブルもあるが、冬場は薪ストーブの前でできたての料理を楽しむのが日常。

薪ストーブへの憧れがありながらも導入に躊躇いがちなのは、使い方や維持管理、何より薪の調達や薪割りが難しそうに見えてしまうからだろうか。だが、自分で手足を動かさなくてもあらゆることが便利に、スマートにできてしまうこの時代に、少し手間のかかる道具が身近にある暮らしは、目に見えない心の豊かさを気づかせてくれる。

新しい家を建ててから、日に日に料理の腕を上げているご主人。薪ストーブで焼く手作りピッツァは格別の美味しさ。

耐火ガラスの扉の向こうに見える赤々と燃える炎のゆらぎや木が燃える音には、何物にも代えがたい深い癒やしがあり、ストーブを中心に家族が同じ場所に集うことで、自然と会話が増える。

さらに、薪の調達、薪割り、薪の保管に始まり、焚き付け、熾火の維持など、薪ストーブのある暮らしを中心に、さまざまな作業と役割が生まれる。ほのかに漂う木の香り、広葉樹のずっしりとした重み、樹種ごとの木肌の違いなどを感じながら五感を刺激する生活は、日常のストレスから心を解きほぐしてくれることだろう。

「家族みんなが食に関心があり、食べることが大好き」というMさんご一家の冬の楽しみは、薪ストーブを使った料理。旬の食材をシンプルに焼いたり、手間暇かけて調理したりして、できたて熱々の料理を家族みんなで頬張る時間は、薪ストーブのある家ならではの冬の至福のひとときだ。 

その日あったことを話しながら食事を楽しむMさんご一家。火を囲んでみんなで一緒に食べる。
お気に入りのハンモックに揺られて微笑む娘さん。
2匹の兄妹ワンちゃんとともに、ゆったりした時間を過ごすMさんご夫婦。家で過ごす何気ない時間が何よりの幸せだ。

スイベル制作オフィス
〒929-1215かほく市高松ヌ51
tel: 076-282-5532
https://swivel.style

VOL.13 住まいの提案、石川。 ¥300

VOL.12 住まいの提案、石川。 ¥300

VOL.11 住まいの提案、石川。 ¥300

VOL.10 住まいの提案、石川。 ¥300

VOL.9 住まいの提案、石川。 ¥300

VOL.8 住まいの提案、石川。 ¥300

VOL.7 住まいの提案、石川。 ¥300

住まいの提案、石川。特集記事一覧 特集記事一覧

備えあれば憂いなし Volume13特集記事

備えあれば憂いなし Volume13特集記事

構造計算でつくる地震に強い家―家づくりにおいて、“もしも”に備えた事前の準備。それは建てる前からはじまっている―。災害と隣り合わせの私たちが安心して暮らすために、ビルダーは日々、耐震性・耐久性の高い家を追求しています。石川県において、精度の高い構造計算により「安全」と「心地よい暮らし」を両立する家づくりをご紹介します。
実例集 「暮らすほどに愛着が高まる中庭を中心としたロの字型の家」樋爪住宅研究所

実例集 「暮らすほどに愛着が高まる中庭を中心としたロの字型の家」樋爪住宅研究所

吹き付け塗装を施した白壁が、シンプルでありながら、やわらかな印象を与えるN邸。樋爪住宅研究所が設計・施工を担当した住まいのポイントは、正面から見るよりも鳥の目になった方が分かりやすい。上からのぞくと、中庭をぐるりと囲んで、ロの字型に住空間がレイアウトされているのだ。
実例集 「家時間を楽しむ1階で暮らしが完結する家」建築工房正勝

実例集 「家時間を楽しむ1階で暮らしが完結する家」建築工房正勝

家づくりを進める上で、ビルダーと幾度となく打ち合わせを行い、間取りや仕様が決定し、いざ着工となると、もうそこから先はお任せとなってしまうことも多い。だが建築工房正勝での家づくりは、ここからがスタート。建築途中の現場で実際の生活を想像しながらその場で、棚の位置や施主の身長に合わせた造作家具の高さを決め、図面にはなかったところに新たに収納を設けた。
実例集 「海沿いの街で自然体に暮らせる住まい」KIRIKOBO桐工房 

実例集 「海沿いの街で自然体に暮らせる住まい」KIRIKOBO桐工房 

小さなころから住み慣れた海沿いの街で、自然体で暮らしたい。桐工房が手がけたT邸は、仕事から帰ったご夫婦が心からリラックスして過ごせるプライベートな住空間といえる。たとえば、幅広の白いガルバリウムに、木目の表情が豊かなレッドシダーを配した外観は、洗練されたシンプルさの中に温かみを感じさせる。
実例集 「現代のエッセンスを吹き込んだ町家リノベーション」LACLAS ラクラス

実例集 「現代のエッセンスを吹き込んだ町家リノベーション」LACLAS ラクラス

金沢市を中心に、住まいのかかりつけビルダーとして地域住民の家づくりに寄り添ってきたラクラス。新築はもちろんのこと、リノベーション分野の評価も高く、専門知識が必要とされる古い町家リノベーションにおいても多くの実績がある。
Side Story Speciality 02 「空間を創造する、オーダー家具の世界」

Side Story Speciality 02 「空間を創造する、オーダー家具の世界」

ずっと昔から、そこにあったかのような空気感をまとうアームチェアとテーブル。長町武家屋敷跡にあるタイ料理店「海月が雲になる日」で、その家具は静かに客人を待ち受けている。手掛けたのは、FREY Designの家具デザイナー 甲斐 晋氏。店舗デザイン、建築設計などを行い、数々のデザイン賞を受賞している。
食と空間 File.7「炉ばたとワインの酒場 nomo」

食と空間 File.7「炉ばたとワインの酒場 nomo」

小松駅から徒歩5分。「炉ばたとワインの酒場」の文字が印象的なのれんが揺れるのは築50年以上の古民家を改装して誕生した炉ばたとワインの酒場「nomo」(のも)。同じく小松駅近くにある人気店、ワインの酒場「mono」(もの)の二店舗目として2024年2月にオープンしたばかり。
この街で、心地いい暮らし Episode.7 – 小松市

この街で、心地いい暮らし Episode.7 – 小松市

2024年3月に北陸新幹線小松駅が開業した小松市は、暮らしに"ちょうどいいまち"として注目されています。その魅力について、市の移住定住・子育て支援の担当者に話を聞きました。小松市を一言でピーアールするなら、暮らしに”ちょうどいいまち“ですね。海や山が近く、自然やおいしい食材に恵まれ、買い物や遊び場も充分揃っています。
− 店舗兼用住宅 −「サロンと自宅。三角形はふたつ」空間デザインと照明計画で”非日常”を演出 asita – ディレクト

− 店舗兼用住宅 −「サロンと自宅。三角形はふたつ」空間デザインと照明計画で”非日常”を演出 asita – ディレクト

白山市の、とある住宅地。角地をとらえた航空写真が面白い。正方形の敷地に、長辺を向かい合わせるようにサイズの異なる三角形がたっている。ふたつ並んだ建物の正体を明かせば、小さい三角がプライベートサロン「asita」、大きい三角がご夫婦と二人のお子さんが暮らすIさんご一家の居住空間だ。
− 店舗兼用住宅 −「空き家をリノベ。ほっとやすらぐカフェに」仕事も、暮らしも”心地いい”を求めて CAFE BALMY – 大同建設

− 店舗兼用住宅 −「空き家をリノベ。ほっとやすらぐカフェに」仕事も、暮らしも”心地いい”を求めて CAFE BALMY – 大同建設

小松市役所から徒歩1分、火曜から金曜の昼だけ開く素敵なカフェがある。「CAFEBALMY」。店名の書かれた看板がなければ見落としてしまいそうな街中の隠れ家もまた、仕事と暮らしを両立した店舗併用住宅だ。
− 店舗兼用住宅 −「オンとオフ。暮らしにスイッチを」ライトグレーの外観が美しいサロンアンティーク家具が彩る癒しの空間 hair salon Eimmy – 樋爪住宅研究所

− 店舗兼用住宅 −「オンとオフ。暮らしにスイッチを」ライトグレーの外観が美しいサロンアンティーク家具が彩る癒しの空間 hair salon Eimmy – 樋爪住宅研究所

プライベートな時間を大切にしながら、仕事にも全力で熱意を傾ける。そんな理想の”職住一体“を実現する店舗併用住宅の上手な実践例が、金沢市田上本町のヘアサロン「Eimmy」だ。
無垢の杉材に囲まれて暮らす家族とペットにやさしい平屋「木の彩(KINOIRO)」

無垢の杉材に囲まれて暮らす家族とペットにやさしい平屋「木の彩(KINOIRO)」

スペシャルリポート「木の彩」(KINOIRO)無垢の杉材に包まれて暮らす家族とペットにやさしい平屋ガルバリウム屋根とレッドシダー木材をバランスよく配した外観。深みのあるカーキの吹き付け塗装の色調は、施主がもっともこだわったところ。